【導入事例】持続可能な運営体制の構築を目指す~日本プライマリ・ケア連合学会様に聞く、初担当者が実現したセミナー運営の負担軽減と今後に向けて~
こんにちは。学術大会グループカスタマーサクセスの高橋です。
多くの学術大会事務局では、運営メンバーの交代に伴う業務の属人化や、円滑なノウハウの継承が共通の課題となっています。
今回は、学生が主体となって運営する「2025年度 第37回 学生・若手医療者のための家庭医療学夏期セミナー」で、初めてConfitを導入された一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会の事務局ご担当者様にインタビューを行いました。
ご担当者の半数以上がご自身も初めて本セミナー運営に携わるという状況で、新しいシステムを導入した背景にはどのような課題があったのか、そして、導入によってどのような成果が得られたのか、詳しくお話を伺いました。
大会基本情報
| 大会名 | 2025年度 第37回 学生・若手医療者のための 家庭医療学夏期セミナー |
|---|---|
| 主催学協会 | 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会 |
| 大会参加者数 | 約100名~200名 |
| ご利用プラン | スタータープラン(演題登録・参加登録・オンライン決済) |
| Confitご利用回数 | 1回目 |
当初の課題
アトラス:Confit導入前に抱えていた課題について、改めて詳しく教えていただけますか?
学会:主に3つの課題がありました。
まず1点目は、申し込みから入金確認、リマインドまでの一連の作業がすべて手作業だったことです。以前はGoogleフォームなどを利用して参加申し込みを受け付けていたと聞いています。そこから参加者一人ひとりにBCCで連絡を取るなど、完全に手作業で運用していました。特に大変だったのが入金確認で、銀行振込の内容を目視で一件ずつ確認し、消し込み作業を行っていました。振込名義が参加者名と異なるケースもあり、その都度確認が必要で、非常に手間がかかっていたようです。リマインドメールの送信も手動でした。
アトラス:なるほど、それは膨大な作業量ですね。お金にかかわることなので間違えられないですし、労力がかかることだと思います。オンライン決済は利用されていなかったのでしょうか?
学会:昨年はクレジットカード決済だったようですが、それ以前は銀行振込のみで、今お話ししたようなアナログな確認作業が発生していました。
アトラス:他の課題はいかがでしたか?
学会:2点目は、登録フォームが複数に分かれてしまっていたことです。我々のセミナーでは、講師登録・参加登録・プログラム紹介という企画募集の3種類のフォームが必要です。複数のフォームを管理する手間や煩雑さを解消したい、ということが課題としてあったので、フォームを一元管理できるシステムを探していました。今回Confitでは、講師登録と参加登録の一元化を行い、管理効率化を図りました。
学会:そして3点目として、引き継ぎ資料がほとんどなく、毎回担当者が手探りで準備を進めなければならない状況であったことです。実は今回、事務局の担当者が初めてこのセミナーの運営に携わったのですが、過去の資料が十分にない状態でした。昨年までサポートしてくれていた会社に資料をもらって、なんとか対応したという状況です。
アトラス:なるほど。引継ぎの課題については他大会でも悩まれている方は多いと思います。作業の多発、フォームの乱立、そして引き継ぎの困難さという、まさに運営の根幹に関わる課題ですね。
導入の決め手
アトラス:多くの課題を抱える中、最終的にConfitを導入いただいた決め手を教えていただけますか?参加登録・講師登録開始の4か月前に資料請求をいただいてから、複数社で比較検討されたと伺っています。
学会:はい、最終的に3社で比較検討し、費用面や機能面を総合的に判断してConfitに決めました。
特に重視したのは、受付業務の効率化です。夏期セミナーは事務局3名で受付対応をする必要があったのですが、人手が限られている中で受付に長蛇の列ができる事態は絶対に避けたかったのです。そのため、QRによるスムーズな受付ができるという点は、私たちにとって非常に大きな魅力でした。
アトラス:受付業務の効率化が最優先だったのですね。
学会:はい。また、参加者だけでなく、講師の受付や別の企画の受付もあり、全体的にスムーズな運営が求められていました。それに加えて、参加証をシステムから出力できる機能も必須でした。こうした私たちの要望を、限られた予算内で実現していただけたことも、導入の大きな決め手となりました。
導入の成果
アトラス:実際にConfitを導入してみていかがでしたか?
学会:一番は、オンライン決済と当日のQR受付が、期待通り非常にスムーズにできました。以前は手作業で行っていた入金消込やリマインド業務がなくなり、負担が大幅に軽減されたと感じています。領収書類の発行等が参加者各自でできるようになったこと も、問い合わせ削減に繋がり、業務軽減になりました。ほとんどの参加者がクレジットカードで決済してくれたので、個別対応が必要だった銀行振込希望者も3名程度にとどまりました。
アトラス:受付の混雑はいかがでしたか?以前は手書きの名札を配布していて、列ができていた可能性もあったかと伺いましたが。
学会:今回が初めての運用なので比較はできませんが、当日、受付で長蛇の列ができることはありませんでした。QRを用いた当日受付についても、オペレーションそのものは大変スムーズであったと思います。Confitを活用した受付は、当初の目的を十分に達成できたと思います。
アトラス:重視されていた、当日現場での煩雑さが解消されたというのが聞けて大変うれしいです。
学会:登録フォームについても講師登録と参加登録をConfitで一元管理できたので便利でした。プログラム公開という別の企画についてはConfit外のフォームで対応しました。
アトラス:すべてを一元管理できればよいのですが、3つとなると新たにConfitをもう1サイト構築する必要がありました。そことの費用対効果でご判断いただいたのですね。
学会:はい、そうですね。
アトラス:課題であった業務の引継ぎについては、2回目以降に成果を発揮するはずなので期待していただきたいです。
学会:そうですね。今回は初めての導入だったので、正直なところ、初期設定などでは大変な部分もありました。「初めて使うシステムは皆そうだ」と覚悟はしていましたが、やはり慣れない部分も多かったです。次回以降はシステムの設定内容を引き継いで利用できるので、大幅な負担軽減に期待したいです。
アトラス:1年目はやはりフォームの作りこみや全体の確認・調整などで苦労したかと思います。細かい部分まで確認してくださって大変感謝しています。画面、ノウハウ、データは次年度以降の大会においても資産として残りますので、2回目、3回目のご利用では更に効率化がはかれます。また、もしも事務局のご担当が変わられた場合でも、アトラスからノウハウの引継ぎサポートができますので、ご安心ください。
Confitに期待すること、次回や今後に向けて
アトラス:最後に、今後のConfitに期待することや、次回に向けたご要望があればぜひお聞かせください。
学会:まず、今回大変だった講師の名札作成を、次回はよりスムーズに行えるように改善を期待しています。講師登録のCSVデータが、一つのセッションに対して講師名が横に並んで出力される形式だったため、差し込み印刷用のデータに加工するのが非常に難しかったんです。結局、一件ずつ手作業でコピー&ペーストして名札データを作成したので、かなりの時間がかかりました。このCSVのデータ形式が改善されるか、あるいはシステム上で名札作成が完結できるようになると、本当に助かります。
アトラス:データ加工の手間が大きかったのですね。Confitは参加者の名札(参加証)を作成する機能はあるものの、講師(発表者)の名札作成機能はありません。本セミナーでは講師の方々に個別に参加登録をお願いするのも難しい状況でしたし、ここは次回の課題として持ち帰らせていただきます。
学会:また、管理画面の使いやすさの向上も期待しています。どこで何が設定できるのか、直感的に分かりにくい部分がありました。特に、参加者向けの案内文を作成する際にHTMLタグを直接記述する必要があったのは大変でした。プレビュー機能がなく、一度アップロードしないと表示が確認できないのも手間でしたね。ボタン一つで文字装飾ができるような、もっとシンプルな操作性になると嬉しいです。
アトラス:管理画面のUIについては、他学会様からも同様のご意見をいただいており、社内でも改善を検討しているところです。近い将来、さらに使いやすくなった管理画面をお見せできるように今後に期待いただきたいです!
学会:お願いします!(笑)
学会:また、 夏期セミナーだけでなく、私たちが事務局主導で行っている他の講習会でもConfitを活用できないか検討していきたいです。複数のGoogleフォームで管理している申し込みを一元化したいと考えていますので、また相談させてください。
アトラス:もちろんです!学会運営のご負担を軽減できるようなご提案ができるように、社内別部署も含めて検討させていただきます!
事務局長の想い
さいごに、今回お話を伺う中で事務局長から大変示唆に富むお言葉をいただきました。
セミナー運営の背景として、ハイブリッドを含めて対面開催が増えてまいりましたが、物価高を含む社会の情勢は、安易な参加費増を阻むものとなっており、より費用面において効率的な運営が求められる、という強いプレッシャー もありました。非効率な現状維持は許されない、という状況です。少しでも継続して利用できるよう環境を整えていくことは当方でも、またアトラスにおいても継続した努力は必要であると思います。
例えば私たちにとっては受付のフロー、確認内容を少しでもシンプルにする、貴社(アトラス)においては複数年(あるいは回)契約による安価なプランをご提案いただく、というようなことかと思います。システム開発においても、学術大会の現場や運用を知る、ということが必要不可欠であると思います。対面開催数が増加することと並行して、環境への配慮が求められる時勢でもあります。互いに矛盾するものではありますが名札や参加証、領収書等を未だに「印刷」しなければならないという状況は、何とか打破できないものかと思いますが、大変ハードルの高い問題を課せられていると認識しています。
属人化や業務継承に関してはシステムを継続的にご活用いただくことが課題解決の鍵であり、そのためには学会様とアトラス双方の継続的な努力が不可欠であると、弊社としても再認識したお言葉でした。
同時に、継続的にConfitを選択していただけるようなシステム・プランをご用意することが大変重要であるということも実感しております。費用についてのご提案や運用改善の継続的なご案内など、学会運営をよりよくしていくためにパートナーとして寄り添っていきたいと感じております。
そして、各学会・大会ごとに独自の運用ルールやポリシーがあることは当然のことと理解しております。その運用をいかにConfitで実現するか、他大会での事例もご紹介しながら皆様の運営をより便利にするかをご支援するのが、我々の最も重要な役割であると強く認識いたしました。
さいごに
今回のインタビューでは、「引き継ぎ資料がほぼない」「実務担当者が運営に初めて関わる」という難しい状況から、Confitの導入によってセミナー運営の標準化と業務効率化を実現された、貴重なお話を伺うことができました。
手作業による入金確認や煩雑なフォーム管理、そして何より担当者が代わるたびに繰り返されるノウハウの断絶など、これらは多くの学会事務局が抱える根深い課題です。日本プライマリ・ケア連合学会様の事例は、こうした課題に対し、適切なシステムを導入することが有効な解決策となり得るかを示していると思います。
今回の事例が、同様の課題を抱え、変革の一歩を踏み出せずにいる多くの学会事務局の皆様にとって、具体的なヒントとなれば幸いです。アトラスは、システム提供を通じて、皆様の価値ある学術活動を裏側から支えるパートナーでありたいと考えています。
アトラスは、今後も皆様からいただく貴重なご意見を真摯に受け止め、Confitのサービス改善に努めてまいります。学会運営の課題解決に向けて、まずはお気軽にご相談ください。
末筆ではございますが、お忙しい中、貴重なお話をお聞かせくださいました一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会の皆様に、心より御礼申し上げます。
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