参加者4,000人超!大規模学術大会を支えたオンラインプログラム編成の秘密とは?~令和2年度土木学会全国大会の舞台裏~

こんにちは。導入コンサルタントの田上です。
緊急事態宣言が再び発令され、まだまだ先が見えない状況ではありますが、みなさまいかがお過ごしですか。

妻(韓国釜山出身)の影響で自宅では日本のテレビではなく韓国のテレビが流れる生活なのですが、あちらの国では番組の冒頭に必ずスタジオと出演者が除菌を徹底している様子が流れます。一年前には想像ができなかった映像だなと改めて感じています。

 

緊急事態宣言が再び発令され、まだまだ元のような全参加者集合型による現地開催の学術大会開催は厳しいように感じられます。こうした中でよく学会関係者の方から学術大会のオンライン開催について、会期中に関するご質問を受けております。
しかしながら、学術大会の運営にあたってもう一点気にしてほしいなと感じることがあります。それは、プログラム編成の進め方です。

プログラムは学術大会の要ですので、その編成作業は大会運営において避けることはできません。新型コロナウイルスの蔓延により一箇所に多人数が集合した会議は開催できなくなり、Zoomなどのウェブミーティングツールを使用した会議形態となりました。
議論はウェブミーティングツールで十分にできるものの、先生方や事務局様のお話を伺いますと、プログラム編成に必要な資料の共有や編成結果をまとめる作業にかなり大きな負担がかかっているようです。

 

そこで今回の記事ではこうした状況を改善するご参考として、投稿数3,800題超のプログラム編成をオンラインで実施した「令和2年度土木学会全国大会第75回年次学術講演会」の事例をご紹介したいと思います。「オンラインでどうやってプログラム編成を進めよう?」と悩まれている皆様のご参考になりますと幸いです。

今回ご紹介する学術大会

大会名 令和2年度土木学会全国大会第75回年次学術講演会
主催学協会 公益社団法人 土木学会
会期 2020年9月9日(水)~11日(金)
※オンラインで開催
発表演題数 3,824題
大会参加者数 約4,200名

従来のプログラム編成作業

土木学会様では従来、プログラム委員の先生方が一箇所に集合し、編成作業を実施していました。プログラム委員は総勢100名以上おり、共通セッションとI~VIIの各部門に分かれて編成作業にあたります。

編成作業にあたっては、予め事務局様が準備をした講演ごとのプログラム編成資料(演題名や発表者名、講演概要などが記載された資料)を使用し、所定の用紙に講演順や座長を記入する方式で実施していました。編成を担当する先生方は、朝からこの作業のために出張をし、そしてほぼ一日がかりで編成作業に臨むことになります。

編成作業終了後、事務局様では所定の用紙に記入されたプログラム編成結果を取りまとめる作業とともに、座長の依頼対応にあたっていました。このため、作業には相当な手間がかかり、プログラムの公開に至るまでにかなりのお時間がかかる状態でした。

プログラム編成を担当する先生方、事務局様ともに負担が多く、またコスト面でも出張費の支払い、お弁当代などがかかっていました。事務局様の作業コストもここに加わりますので、決して無視できない金額がプログラム編成を巡って発生していたといえるでしょう。

オンラインプログラム編成への道のり

オンラインプログラム編成の説明からスタート!

最初に事務局様と弊社で始めたのは、各部門の主査の先生方に対してオンラインプログラム編成はどのように進めるのかお話することでした。

プログラム編成機能「Session Builder」の操作方法のご説明に加え、主査として不安に感じられる点のヒアリングも実施しました。

この説明会のなかで、「オンラインでプログラムを編成する」という未知の作業がどれぐらい重いものなのか漠然とした不安感があることが分かりました。また、教務などメインのお仕事を抱える中で莫大な演題数の編成作業をする時間が確保できるのかについても、気にされていることが分かりました。

これらのヒアリング結果を踏まえて、事務局様と以下3点を実施することを確認しました。

①プログラム編成の説明動画を作成し、プログラム編成委員全員に編成操作を体験できるデモサイトとともに配信する
②プログラム編成委員からの質問受付期間を2週間程度設定し、編成作業が始まる前にイメージを付けてもらう
③本番のプログラム編成作業には2週間程度の期間を設ける

これらは、実際にプログラム編成の取りまとめに当たられる主査の方々とお話したからこそ打ち出すことができた内容でした。「Session Builderを使える」を目指すのではなく、「ストレスなくSession Builderを使える」ことを目指すために重要なステップであったと私は感じています。

プログラム編成委員による質問受付期間中の様子は?

プログラム編成委員全員がお集まりの場でSession Builderの操作方法を説明し、質問にお答えできれば良いのですが、委員全員に向けて説明するのは日程調整を含め、かなり難しいところがあります。

そこで採った方法がSession Builderの操作説明動画を制作し、デモサイトとともにご案内をすることでした。動画であれば委員の方々がご自身の都合で見ることができますし、併せてデモサイトを触れる環境を提供することで、より実際的なイメージを付けることができます。

↑実際の動画
機能説明だけではなく、Session Builderを使用するメリットも説明しました

 

動画の視聴やデモサイトにおける操作によって生じた疑問は、編成委員ご自身によって質問フォームに投稿していただくようにしました。質問期間をあらかじめ定めておき、質問期間終了後に弊社にて回答を取りまとめました。この回答は、事務局様から編成委員のみなさまに共有していただきました。

このような質問期間と運用を予め採ったことにより、大人数の説明会を実施するよりもより作業をにあたられる方々、一人ひとりの疑問に答え、オンラインでのプログラム編成に理解を深めていただく環境づくりをしました。

そしていよいよ、プログラム編成本番を迎えます。

プログラム編成本番~実際操作をした編成委員の反応は?~

プログラム編成は、事前に事務局様と確認した内容に従い、2週間程度の期間を設けて実施しました。編成期間中も操作に関する質問が生じる可能性はありますので、問い合わせフォームを稼働し、質問は引き続き受け付けていました。

しかし、編成期間中の質問は大半がプログラム編成方針などに関する内容であり、Session Builder自体への質問は10件未満に留めることができました。加えて、編成作業自体も予定通り完了し、プログラムを一般に公開したのは6月下旬と例年よりもかなり早く公開できました。
これらは事前質問期間の設定などが効果を発揮したと言えるでしょう。

プログラムを早く公開することは発表者にも参加予定者にも大きなメリットがあるので、Confitを通じて実現できたことを喜ばしく思っています。

 

実際に作業された編成委員のみなさまは、どのように感じられたでしょうか。

事務局様が編成委員に対してアンケートを実施され、なんとSession Builderに対して「使いやすい」と回答された方が80%を超える結果となりました。編成委員の方々が便利だと感じられた理由として、演題や座長割り当てのやり易さや座長・演者間で同一人物が同じ時間帯に割り当てられていないか自動的に重複チェックがかかることを挙げられた方が非常に多かったです。

このアンケート結果を受けて、土木学会様では次回講演会においてもオンラインでのプログラム編成作業の実施を予定されていると伺っています。

Confitだからできるオンラインプログラム編成~Session Builder~

Confitの最大の特徴として挙げられるプログラム編成機能「Session Builder」は、Confit以外にはない特許取得済みの仕組みです。(特許第6798715号)
編成作業のやり易さや座長・演者間の同一人物重複チェック機能の便利さには、大変ありがたいことに好意的なご意見をいただいております。

こうした機能の強みは編成担当の方々に加え、これまで後処理を担ってきた事務局の方々にとりましても負担軽減になることは言うまでもありません。削減できた負担の分、大会を盛り上げるための仕事に注力することもできるでしょう。

 

ただし、いくら便利な機能であってもそれをストレスなくお使いいただくためには必要なステップがあります。弊社では、システムの機能だけでは実現できないフォローアップを導入コンサルタントが中心に担っています。
多くの学会様における「学術大会を”やさしく” IT化」の実現に向けて、メンバー一丸となって引き続き取り組んでいきたいと思います。

 

Session Builderに関する詳しい機能につきましては、こちらのページにてご紹介していますので、ぜひご覧ください。
なお、Confitでプログラム編成する際の準備事項について、以下のブログにまとめておりますので、併せてご覧ください。

【初めてのプログラム編成機能】プログラム編成開始までに準備すべきことは?

本記事に関するお問い合わせは、こちらからお願いします。

次回の土木学会全国大会のご案内

大会名 令和3年度土木学会全国大会第76回年次学術講演会
会期 2021年9月8日(水)~10日(金)
会場 東海大学 湘南キャンパス

 

(謝辞)
本記事の執筆にあたりましては、土木学会事務局様のご理解とご協力をいただきました。
末筆ながら心から御礼申し上げます。