オンライン学会を終えてどうでしたか?~日本原子力学会様にリアルな声を伺いました~

高橋です。

春先より、オンライン開催を検討されている学会、準備に不安を抱えている学会、様々なご相談をいただいております。
「他学会の事例を紹介してほしい」という声も数多くいただきましたので、今回は無事にオンライン学会を終了された日本原子力学会の事務局様にインタビューしました。

日本原子力学会様は2016年よりConfitをご利用されております。今回のオンライン開催のプラットフォームとしてもConfitをご活用されました。日本原子力学会2020年秋 オンライン学会サイト

Confitだけでなく、Zoomの準備やオンライン開催全体についてお話を伺っております。参考になれば幸いです。

日本原子力学会様は発表数約600件、参加者数約1,300名の学会です。
オンラインの発表は全てZoomを利用したLive配信でした。

Zoomについて

アトラス:Zoomを選択された理由はありますか?色々なツールがあるので悩まれている学会もあります。

日本原子力学会様:Zoomのセキュリティ事情は懸念されましたが、他学会の事例や使い勝手の良さを考慮し決めました。本会の会員には所属機関でZoomの利用が認められていない方も多く、一部で不満の声もありました。
次回は、Zoom利用が禁止されている所属機関には、大会期間中だけでも特例で認めていただけないか、学会から働きかけることも考えています。

アトラス:禁止されている機関もあるとのこと悩ましいところです。学会から働きかけるというのも新しい取り組みでとても参考になります。
Zoomの準備はどなたがなさったのでしょうか?

日本原子力学会様:Zoomのライセンス契約は事務局、ミーティングルームの作成は現地(実行)委員会が対応しました。設定自体はそんなに難しいものではありませんが、会場×日数分のミーティングルームを作らなければならず、それなりに面倒でした。

アトラス:当日のトラブルはありましたか?

日本原子力学会様:Zoomリンクの貼付ミスが1件ありました。前日までにリンクが正しいか確認すべきでした。また、パワーポイントの画面共有ミスが散見されました。本人がミスに気づかないまま共有していることもあり、トラブルの解決が難しかったです。

アトラス:ありがとうございます。パワーポイントの画面共有ミスなどは次回の重点告知事項になりそうですね。

Confitについて

アトラス:オンライン開催に関してConfitでお役に立てた機能はありますか?

日本原子力学会様:オンライン開催のため、参加者に個別でIDとパスワードを提供する機能を初めて導入しました。また、参加登録・決済完了後にオンライン会場に入室するためのログインIDとパスワードの自動発行と通知機能(参考:オンライン学会に関連する最新のConfit機能拡張状況)がとても便利でした。

アトラス:便利にご利用いただけたようで良かったです。オンライン開催ですと当日参加がポイントになると思います。現地開催であれば会場に受付があり、そこでお金を支払えば参加できます。オンライン開催でも同様の仕組みを実現するためにConfitを拡張しました。
では、改善点はありますか?

日本原子力学会様:上述の自動通知メールは現在、全利用者共通の文面となっていますが、独自にカスタマイズできるようになるとありがたいです。

アトラス:ご要望ありがとうございます。仰っしゃるとおりですね。

参加者の声

アトラス:実際に参加者の反応はいかがでしたか?

日本原子力学会様:参加者アンケートによると、「オンライン開催でよかった264名、現地開催のほうがよかった115名」で、おおむね好評だった様子です。発表や聴講はオンラインでも現地と遜色ないとの意見が多く寄せられました。

アトラス:アンケート結果を教えていただき、ありがとうございます。約70%がオンライン開催で良かった、という結果は少し驚きです。ネガティブな反応はどうでしょうか?

日本原子力学会様:討論は現地開催より困難だったとの声が多数でした。特に、セッション外でいろいろ話す機会が失われるため、学会開催の意義が薄れる、との意見もありました。

アトラス:これは他の学会でも出ている課題です。対面と同じような体験をオンラインで実現するのは現状なかなか難しそうです。

オンライン開催を終えての感想

アトラス:オンライン開催を終えての全体的な感想を伺いたいと思います。まずは良かった点をお聞かせいただけますか。

日本原子力学会様:初回こそ未経験なので検討事項が多く大変ですが、システムさえ整えてしまえば圧倒的に運営はラクです。移動時間不要で旅費もかからず、経費削減にも有効ですし、当日の現金授受が発生しないので収支管理も大幅に工数を削減できます。走り回らなくても全会場を管理でき、運営の立場では今後も積極的にオンライン開催を進めたいです。

アトラス:なるほど。だいぶポジティブな印象だったのですね。では逆に課題はどうでしょうか。

日本原子力学会様:企業展示への参加者が少なく残念でした。次回は宣伝を工夫したいと思います。先程お話した交流の部分は課題なので、参加者同士の交流ができる場も設けたいです。Zoomのブレイクアウトルームを活用できないか検討しています。

アトラス:オンライン開催前に想定していたことと違った点はありますか?

日本原子力学会様:参加者がぐっと減るかと思いましたが、そんなことはなかったです(発表件数は少なかったが、聴講者数は例年なみ)。会期中はトラブル対応に追われるのでは?と心配していましたが、大きなトラブルはなく、スムーズに運営できました。

アトラス:これからオンライン開催を実施する学会に対してアドバイスはありますか?

日本原子力学会様:オンライン開催とすること、また、セッションの進行マニュアル等は早めに周知・公開することが望ましいです。大会実行委員の人員は現地開催より少なくて済むはずですが、ある程度PCやソフトに精通していないと、習得や準備に時間がかかるかもしれません。

アトラス:大変参考になる情報をありがとうございました。

 

全体的にはポジティブな反応だったようです。一方で課題も挙げていただきましたので、これからオンライン開催される学会にも参考になると思います。
最後にあらためまして、日本原子力学会様に深く御礼申し上げます。