スタッフブログ

【Confit】学術大会におけるインボイスへの対応についてご紹介します!

※2023年5月23日 一部内容について追記いたしました。

こんにちは!導入コンサルタントの森本です。Confitスタッフブログ2回目の登場です!

 

年が明けてあっという間に2ヶ月が経とうとしていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

私はお正月太りを解消すべく、日々ダイエットに勤しんでいます(笑)

新しい取り組みとして主食をオートミールに置き換えるダイエットをしているのですが、自分に合っているようで効果抜群です(笑)

私のようにまだお正月太りに悩んでいる方がいましたら是非お試しください!

 

さて、今回は2023年10月から開始するインボイス制度について、開始される目的とあわせ、Confitの対応についてご紹介します。

そもそもインボイス制度とは…?何をすれば良いか分からない!そんな方もきっと多いはず!

本ブログがインボイス制度開始後の大会運営の一助になれば幸いです!

■はじめに -インボイス制度とは-

インボイス制度(正式名称:適格請求書等保存方式)とは、「適格な消費税計算の促進」を目的として導入される制度を指します。

この制度は2023年10月から開始されます。

インボイス制度への対応は任意とされており、国税庁が公開している基本項目チェックシート(登録編)や各省庁による「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」を元に事業者で対応要否を判断するよう求められています。

インボイス制度を理解する上で必ず理解をしておきたいポイントは次の2つです。
①適格請求書(インボイス)
②適格請求書発行事業者の登録

まずはこの2つについて、ご説明します。

①適格請求書(インボイス)

インボイス制度が開始されると税率や消費税額を明記した適格請求書(インボイス)の発行が必要とされます。

適格請求書(インボイス)とは、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものを指します。請求書単位で税率や税額を記載するので、正確に消費税の計算ができるようになります。

学協会が適格請求書(インボイス)を発行することで、課税事業者にあたる買手(大会参加者の所属機関など)は仕入税額控除を受けることができます。

※仕入税額控除については国税庁のインボイス制度の案内用リーフレットをご参照ください。

②適格請求書発行事業者の登録

前提として、適格請求書は発行事業者として登録を受けた事業者のみが発行できます。

インボイスとして受理される請求書には「登録番号」を記載する必要があります。

「登録番号」とは、税務署に対して「事業者登録」の申請書を提出し、適格請求書発行事業者になった企業に割り当てられる番号です。

-適格請求書発行事業者としての義務-

適格請求書発行事業者になると納税義務の他に、以下の義務が課せられます。

  • 取引の相手方(課税事業者に限る)の求めに応じて適格請求書を交付する義務
  • 値引きなど対価の返還を行った場合、適格返還請求書を交付する義務
  • 交付したものに誤りがあった場合、修正した適格請求書を交付する義務
  • 交付した適格請求書を保存する義務

つまり、課税事業者である機関(参加者)が支払い、課税対象となる請求書を処理する際は適格請求書が求められます。

学協会の発行する請求書がインボイス制度に対応していないと、大会参加者は仕入税額控除を受けられなくなります。

そのため、事業者(学協会)は必要に応じて、インボイス発行事業者の登録を申請した上で適格請求書を発行する必要があります。

※登録手順の詳細は後述の「適格請求書発行事業者の登録申請」をご覧ください。

■適格請求書を発行するためには

-適格請求書発行事業者の登録申請-

制度が開始する2023年10月1日から適格請求書を発行するためには、2023年9月30日までに発行事業者として登録を申請することが必要です。

(※2022年12月23日に手続きが柔軟化され、困難な事情の記載がなくとも9月30日までの申請は2023年10月1日が登録日となります。今後、変更される可能性もあります)

適格請求書に記載が必要な「登録番号」は、申請後に送られる「登録通知」に記載されています。

申請から登録通知が届くまで一定の期間を要しますので、余裕を持って申請することをおすすめします。

<登録申請方法>

  • e-Tax

e-Taxとは消費税申告や納税の手続きをインターネットを通して行うことのできる国税庁のシステムです。パソコンやスマートフォンを利用して申請ができるため利便性が高いです。

申請から登録通知までの期間は約3週間で、登録通知をデータで受け取ることもできます。

e-Taxの利用には電子証明書(マイナンバーカードなど)の取得が必要です。

  • 郵送

管轄地域の「インボイス登録センター」に申請書などを書面で郵送する方法です。

申請から登録通知までの期間は約1か月半となっています。

提出書類は各地登録センターの詳細ページで確認できます。

<免税事業者へのご留意点>

免税事業者の学協会様におきまして、インボイス発行事業者となった場合には消費税および地方消費税の申告・納税義務が生じますのでご注意ください。

■学術大会におけるインボイスへの対応

学術大会の運用において適格請求書(インボイス)の発行が必要となるのはどういう場合でしょうか?それは、大会参加者(消費税の控除を受ける)に対して消費税がかかる取引をした場合となります。

一般的な課税取引の条件については国税庁のよくある質問(課税の対象)をご参照ください。

大会参加は学協会活動の一環としているため、参加費の徴収は不課税とする場合がほとんどですが、課税対応に該当するケースとして以下のような取引が挙げられます。

  • 非会員の参加費用の徴収
  • 抄録集などの販売費徴収

課税対象かどうかの判断をする際に「対価性の有無」が重要なポイントとなります。

大会参加費や抄録集の販売はそれぞれ対価を得るための取引であるため課税の対象となります。

ただし学協会によっては会員であっても課税取引とするケースもあるため一概には言えません。そのため大会の主催団体は、販売項目や会員区分に応じてインボイスへの対応要否を事前に確認していただく必要があります。

■Confitでの対応

Confitの参加登録システムも請求書発行が可能なため、適格請求書発行事業者(売り手)としてインボイス制度へ対応します。

インボイス制度に対応するには下記の要件を満たした請求書や納品書を発行、保存する必要があります。

  • 適格請求書発行事業者の、氏名または名称および登録番号
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率の対象品目である場合はその旨)
  • 税率ごとに合計した対価の額および適用税率
  • 消費税額
  • 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

つまり現行の請求書に「適格請求書発行事業者の情報」「適用税率」「消費税額等」の記載を追加し、発行することが要件となります。

そして学協会と参加者の双方で発行した適格請求書を保存しておく必要があります。(※学協会側は写しを保存)

 

では、インボイスとしての請求書「発行」と「保存」という2つの視点にフォーカスし、Confitの対応についてご説明します。

●請求書発行●

□適格請求書の形式に合わせて以下登録項目の追加

  • 適格請求書発行事業者名(※1)
  • 登録番号(※2)

請求書発行画面

発行者事業者名と登録番号を入力することで請求書・領収書にも同内容が出力されます。登録内容の修正をした場合も変更内容が反映されます。

※未入力の場合は請求書・領収書ともに情報は出力されません。

 

□参加費の料金設定に税区分の設定項目を追加
料金設定画面

参加費を設定する段階で「課税」「不課税」を選択しておくことで、参加登録フォームにも設定が反映されます。参加登録フォームにも税区分を明記することで、実際に参加登録をする方々にとっての安心材料にもなります。

●請求書の保存●

□請求書発行履歴機能を追加

発行した請求書写しの保存義務への対応として事務局で請求書を発行した履歴を記録します。

また、既存の請求情報ダウンロードファイルに税区分や消費税額などの適格請求書に準じた情報も出力されるようになります。

<請求書発行>

請求書発行後のイメージ

<領収書発行>

領収書発行後のイメージ

※その他、返品や値引きに伴う適格返還請求書の交付、修正した請求書の交付も義務づけられていますが、現在請求書の修正は請求情報の再作成またはConfitシステム外でご対応いただいているため、これらの対応は対象外とさせていただきます。

■最後に

適格請求書の発行はシステム上の設定だけでなく、インボイス発行事業者の登録申請など学協会のみなさまにもご協力いただく必要があります。

インボイス発行事業者の登録自体は強制ではありませんが、多くの事業者への影響が懸念されます。

大会参加者の立場からすると、一定の経過措置期間が設けられていても、適格請求書発行事業者が発行する適格請求書でなければ消費税の控除が受けられなくなる(費用負担が大きくなる)可能性があるからです。

まずはインボイス制度とは何かを知り、そして対応要否に応じて迅速に準備を進めることが求められます。

弊社の会員管理サービスであるSMOOSYもインボイス制度へ対応します。

SMOOSYでの対応については是非SMOOSYスタッフブログをご確認ください!