オンライン学会を終えてどうでしたか?~日本金属学会様にリアルな声を伺いました~
セールス担当の田口です。あっという間に年末年始が近づきました。
例年ですと秋開催の学術大会シーズンが終わり、次回の春大会に向けたお話をしている時期なのですが、今年は新型コロナウイルスの影響で、12月や1月に開催を延期した学会様も多く、間近の開催準備と春大会準備とが並行している状況です。
なかなか落ち着かない毎日ではありますが、皆様の大会成功に向けて学会の皆様、先生方と並走して頑張ってまいります。
さて今回はConfitを利用してオンライン開催をされた日本金属学会様にインタビューを実施しましたのでご紹介します。
日本金属学会様は2019年よりConfitをご利用されております。
投稿システムは学会様で開発したシステムをお持ちだったので、「プログラム編成」→「Web公開」の部分でConfitをご利用いただいております。
2020年秋大会はZoomを使ったライブ形式で開催されました。
日本金属学会2020年秋期講演大会サイトはこちら
Zoom選択の理由
アトラス:日本金属学会様はZoomを選択されましたが、理由をお聞かせいただけますか?
日本金属学会様:いくつか理由があります。ブラウザ依存がなく通信が安定している、アプリのダウンロードをしなくても利用できる、月単位で契約ができる、といったところに加え、他学会において大きなトラブルを聞いていない、という点が決め手になりました。
アトラス:意外と聞くのが「月単位で契約できる」といったところですね。これは大きいと思います。実際に利用してみていかがでしたか?まずは準備の面をお聞かせください。
日本金属学会様:セッションの数だけURLの設定をする必要があったので、その設定と詳細設定確認には多少時間を要しました。それ以外は特に手間はなかったと感じています。
アトラス:それほど準備の手間は感じなかったのですね。当日はどうでしたか?
日本金属学会様:会場係(ホスト)が入室できないということが2件ほどありました。原因は不明ですが、単なる憶測ですがブラウザやアプリのバージョンが古かったのかもしれません。急遽、事務局がホストで入室し、聴講者として入室された本来のホストの方に、ホスト権限を渡して解決しました。
また、ポスター発表の際、発表者側の端末の問題で、Zoomに入室してもすぐ退室になってしまう現象があり、少し対応に時間がかかりましたが、ポスター発表時間内に他の端末を利用してもらうことで解決できました。
アトラス:不測の事態で発表者は慌てるかもしれないですが、学会としてその時の対処方をいくつか示し、発表者に柔軟に対応いただくことも大切ですね。
Confitはオンライン開催と相性がよい
アトラス:Confitを利用したWebプログラム/抄録の部分はいかがだったでしょう。
日本金属学会様:Confitはオンライン開催と相性がよく、Webプログラムから直接Zoom会場へ入室できるのがよかったです。参加者も迷わず利用されていたと思います。
また、参加者個々にID/パスワードを提供したことでセキュリティ対策もできてよかったと思っています。
WebプログラムからZoomへの例
アトラス:ありがとうございます。ではConfitのここをもう少し良くしてほしいという点はありますか?
日本金属学会様:コメント投稿があった際に、講演者に連絡が送信されるだけでなく、画面にアラートを表示したり、LINEやショートメールで通知してくれる機能があるとよいと思います。また、マイスケジュールに登録した講演や概要を任意の順に並び替え(例えば「講演番号順」「講演日程順」など)ができるとよいと感じました。
アトラス:貴重なご意見をありがとうございます。コメント投稿時の画面アラート表示など、視認性を高める機能はよさそうですね。
参加者の声
アトラス:参加者の反応はいかがでしたか?
日本金属学会様:「概ね問題なく開催できた」という声が多く胸をなでおろしています。むしろスライドについては、着席した座席や教室のキャパシティといった距離の問題の解消に加え、プロジェクタに投影するよりも鮮明な画面で閲覧できるということで、かえって見やすくなったという声も非常に多く寄せられました。
その他には、やはり移動に関するところです。移動による時間やお金を節約できた、また会場間移動がなくて良い、というコメントも多数いただきました。
アトラス:改善点としてはどういった声がありましたか?
日本金属学会様:主に質疑の部分です。突っ込んだ質疑にはなりにくかったようです。また雑談や交流の部分については参加者も課題に感じていたようです。
オンライン開催を終えて
アトラス:事務局としてはどのような感想をお持ちですか?
日本金属学会様:現地への移動時間や会場間の移動時間がなく、他学会と学会が重なっていても、ご参加頂くことができました。オンラインならではの便利さを知り、今後はオンサイト開催だけではなく、オンラインやハイブリッド開催など、講演大会の開催方法の新しい形の議論が始まったことは、参加者にとってより便利かつ有益な学会開催に繋がるのではと期待しています。
アトラス:課題としてはいかがでしょうか。
日本金属学会様:学会に参加するメリットの一つに人脈を広げたり、同じ研究者との交流を図れるということがあると思いますが、オンラインではいわゆるロビートークといったオフィシャルではない会話の交流ができなくて残念であったという声を多く頂いています。なかなか難しいですが、これらをどうオンラインで解決できるか課題です。
また、日本の通信環境が意外と整っていないことがわかった、とおっしゃる先生もおられました。大きな企業であっても、地方の営業所などはネット環境がまだ弱かったりと、それぞれにネットワーク環境の違いによる差が明らかになった部分もあり、本会というよりは日本全体の通信インフラの課題かもしれません。
その他には、ポスターを一覧でざっと閲覧してから、特に興味のあるポスター発表を選びたいという要望もありました。
また、オンラインの性質上どんなにダウンロード防止、テキストコピー防止策をとっても、キャプチャーや無断写真撮影を完全に防ぐことはできないのでこの点は課題が残ります。
アトラス:当初の想定と異なったことはありますか?
日本金属学会様:心配していたトラブルが想定していたよりも少なく、無事に終了できたことは(ポジティブに)本当に良かったと思っています。
色々なことを想定して準備し、マニュアルも作成しておりましたが、実際リハーサルを実施して、参加者から質問を受け、初めて足りなかった点や誤っていた点に気づいたこともありました。事前にリハーサル等を実施してよかったです。
アトラス:これからオンライン開催を実施する学会にアドバイスはありますか?
日本金属学会様:オンライン開催にあたって一番苦労したのは、マニュアル作りです。事務局でたたき台を作り、委員会で協議し決定しましたが、何度も推敲して、リハーサル等で抜けている点を確認し作成しました。業者依頼ではなく事務局でマニュアル作成をする場合、早めに運営方針を決めて、マニュアル作りを進められた方がよいかと思います。
アトラス:ありがとうございます。大変参考になると思います。確かにマニュアルの良し悪しで当日のスムーズさが大きく変わってきますね。
最後にプログラム編成の部分はいかがでしょうか?Confitのプログラム編成機能を利用していただいたので少し感想をお聞かせください。
日本金属学会様:集まって直接会合ができないコロナ禍においても、編成委員にオンラインでプログラム編成を従来通り実施して頂けたことは、予定していた会期をスケジュール通り開催できた(コロナの影響を受けなかった)要因の一つであると思います。
また、編成完了から公開までスピーディに行え、公開プログラムのタイムテーブルから各オンライン会場への入室もスムーズでよかったです。
アトラス:ありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。
日本金属学会様は2021年春大会もオンライン開催となります。今回より更に良い大会となるようにお手伝いできればと思っております。